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解説:女ふんどし



1.女ふんどしの原点:

日本人の原点(?)、女ふんどしです。本サイトの趣旨からは少々外れるのですが、しかしそうかといって無視することもできません。このコーナーでは少し女ふんどしについて薀蓄を傾け、考察してみます。


●女ふんどしの原点=日本書紀「雄略天皇」

●これは恐らくその道のマニアの間では有名な話ではないかと思います。当サイト/キャプチャー選集の「花のおんな相撲」のビデオの中でも、若干このことに触れているシーンがあるのですが、日本の史書に「相撲」という文字が最初に出てくるのは、日本書紀「雄略天皇」13年( 469) 9月にある以下の記述です。

 秋9月、工匠の猪名部真根(いなべのまね)が石を台にして斧で材を削っていた。終日削っても、誤って斧を石の台にぶつけて、刃をつぶす事はなかった。天皇がそこへやって来て怪しんで問うた。
 天皇:「たまには間違って石にぶつける事はないのか。」
 真根:「決して誤ってぶつける事はありません。」

 そこで天皇は采女(うねめ)を集めて、着物を脱がせてフンドシを締めさせ、皆の前で相撲をとらせた。真根は少し手を休め、それを横目で見ながら作業を続けた。しかし、相撲に気を取られた真根は誤って斧を台座の石にぶつけ斧を傷つけてしまった。天皇はそれを責めて言った。
 天皇:「先ほど私に言った言葉を忘れたか。不貞の心の奴が、妄りに軽々しい言葉を言う。」

 そして刑吏に渡し野で処刑するよう命じた。そのとき真根の同僚の工匠が真根を惜しみ嘆き歌を詠った。

「あたらしき 伊名部の工匠 懸けし墨縄 其が無けば 誰か懸けむよ あたら墨縄」
(作者注)
意味は「ああ、惜しむべき猪名部の工匠よ。彼の掛けた墨縄の技術は立派なものだった。彼がいなかったら、誰が彼の妙技を継ごうか、継ぐ者はないだろう」(講談 社学術文庫 日本書紀 宇治谷猛 著より)

 天皇はこの歌を聞いて後悔し嘆いて言った。
 天皇:「うっかり得難い人を失うところであった。」

 そしてすぐに赦免の使いを、甲斐の黒駒に乗せ刑場に走らせ、刑を取りやめさせた。そして縄を解き放ち歌を詠んで言った。

「ぬば玉の 甲斐の黒駒 鞍着せば 命死なまし 甲斐の黒駒」
(作者注)
意味は「甲斐の黒駒に、もし鞍を置いていたら、手遅れになって、工匠は死んでいただろうなあ。甲斐の黒駒よ」(講談 社学術文庫 日本書紀 宇治谷猛 著より)

原点-1
原点-2
原点-3

●一説にはこの挿話は雄略天皇の猛々しさを強調するために作られたフィクションだとも言われていますが、いずれにしても日本史の中で「相撲」という言葉が初めて取り上げられた書物ということで注目すべきです。ましてや女ふんどしです。後にも先にもこの采女たちをもって日本女ふんどしの起源としてもよいと思われます。(⇒采女についてはこちらを参照)

●この雄略天皇の時代は、まさしく暗黒の時代だったようで、天皇がいとも簡単に人の命を奪っていたことが判っています。(歴史的に見ても、文明の未開な時代ほど、人は死というものを身近に感じていたようですが) その雄略天皇の時代に采女の制度が整いました。その証拠にこの雄略紀のなかだけでも采女に関する記述が6箇所(元年3月、2年10月、9年2月、12年10月、13年3月、13年9月)見られます。
 采女には「形容端正(かほきらぎら)」が求められており、そのため采女の性までが天皇の占領下にあったことは容易に想像できます。当然采女は他の男と交わることは禁忌であり、それ故に、一般の人々の采女に対する性の関心も高かったことと思われます。
 そのような、性を意識させる特殊な存在であるところの采女が、裸にふんどしひとつの姿で相撲を取ったということは、上述の真根でなくとも、「目を奪われる」事柄であったことでしょう。

原点-4
原点-5

●驚くことに、中国でも「相撲」という記述が初めて歴史に登場するのは、女相撲がらみでした。中国三国志に登場する呉の国の最後の皇帝孫皓(そんこう)の時代に官女たちに相撲を取らせたという逸話があります。但しこの時の官女の服装がふんどしであったかどうかは定かではありません。また上述の雄略紀はこの三国志にヒントを得たという説もあります。


それではそもそも、日本の文化の中で女ふんどしというものは存在しなかったのでしょうか?女相撲という、いわば特殊な嗜好を持つ一部の愛好家だけが楽しんだものなのでしょうか? ⇒2-a.生活の中の女ふんどしへ



1.  女ふんどしの原点
2-a.生活の中の女ふんどし
2-b.仕事着としての女ふんどし
3.  見世物としての女ふんどし
4.  SMとしての女ふんどし
5.  女褌について
6.  西洋の女フンドシ
7.  女ふんどしの危機(その1)
8.  女ふんどしの危機(その2)

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